日本のドメイン名「.jp」
のヒミツ

URLでよく見かける「○○○.jp」や
「○○○.co.jp」というドメイン名。
この「.jp」は、日本を表しています。
「.jp」が誕生した時のことや、
「co.jp」「ed.jp」など、
JPドメイン名の種類について学びましょう。

学習キーワード
属性型JPドメイン名汎用JPドメイン名
都道府県型JPドメイン名レジストリレジストラ

指定事業者WHOIS

「.jp」について動画で学ぼう

「教えて、ドメイン名先生」
~ネコのピコ丸と学ぶ簡単解説動画~

「jp」も種類はいろいろ、何がどう違うの?

「.jp」のはじまり
04.01

1986年、日本に「.jp」が割り当てられました。
当時、インターネットという言葉はまだほとんど知られていませんでしたが、日本では既にいくつかの実験ネットワークや研究ネットワークが動き始めていました。その中でも特に有名なものが、JUNET(ジェーユーネット)です。

JUNETの特徴の一つとして、DNSが日本で使われ始めるよりも前に、「junet」で終わる階層的なドメイン名を使った「user@host.domain.junet」という形式のメールアドレスが使われていたことが挙げられます。そのため、1989年に末尾の「junet」を組織の種類に対応した「xx.jp」に置き換えることで、JUNETにつながっている組織は、JPドメイン名にスムーズに移行できました。
こうして、JPドメイン名の本格的な運用が始まったのです。

JUNETがつなげたもの

JUNETは1994年に終了しましたが、そのネットワークは研究者・運用者同士のつながりを生み、現在のWIDEプロジェクトへとつながっています。 WIDEプロジェクトは1988年に始まった研究プロジェクトで、JPRSと共同でルートサーバーのひとつであるMルートサーバー(M-root)を運用しています。

ルートサーバーは、IPアドレスを探す旅の起点となる重要なサーバーでしたね。

属性型JPドメイン名とは
04.02

最初にJUNETから移行したJPドメイン名は、「ac.jp」「ad.jp」「co.jp」「go.jp」「or.jp」の5種類でした。その後、「ne.jp」「ed.jp」「gr.jp」「lg.jp」の4種類が追加され、現在では9種類になりました。
これらは、組織の種別(属性)ごとに使えるドメイン名が決まっていることから、「属性型JPドメイン名」と言います。
属性型JPドメイン名が誕生してしばらくの間、JPドメイン名の登録の仕組みづくりは、日本のネットワークを運用する有志がボランティアベースで進めていました。その後、安定運用を実現するために登録規則や運用体制の整備、登録料・更新料の導入などが図られ、現在につながっています。

属性型JPドメイン名の種類 主な登録資格(登録できる組織)
ac.jp 大学など18歳以上を対象とした教育機関
ad.jp JPNIC会員
co.jp 会社
go.jp 政府機関
lg.jp 地方公共団体
or.jp 日本で登記されている法人(co.jpに登録資格がある組織を除く)
ne.jp ネットワークサービス
ed.jp 小中学校・高等学校など18歳未満を対象とした教育機関
gr.jp 商店街やサークルなどの任意団体

最初の頃は、ボランティアベースでの運用だったんだね。

ふにゃ〜!!今のインターネット規模じゃぜったいに無理!

JPドメイン名の登録数は、1992年5月1日時点で795件でした。

この頃の登録数はまだ少ないですが、当時の運営者は将来インターネットが世界的に広がっていくことを予測しており、日本におけるドメイン名の登録数の増加も見据えていました。

ドメイン名は、申請が早い人から順に好きなものを使える「先願制」というルールになっています。そのため、属性型JPドメイン名では、ひとつの組織が登録できるドメイン名をひとつに制限することにしました。これを「1組織1ドメイン名の原則」と言います。これにより、後からインターネットに接続した組織についても、好きなドメイン名を登録できる可能性を高めることができます。

また、当時は、他人が権利を持つ商標や商号などの文字列を含むドメイン名を不正な目的で先に登録する「サイバースクワッティング(後述)」に対応するためのルールが、十分に整備されていませんでした。そうした状況も、「1組織1ドメイン名の原則」が採用された背景として挙げられます。

宿題の調べ物の時は政府機関「go.jp」のサイトを見るとか、属性型JPドメイン名ならではの使い方がありそうだね。

猫缶専門高校を探すなら「ed.jp」で猫缶大学なら「ac.jp」だな!

何を学ぶの…?

汎用JPドメイン名とは
04.03

1990年代後半、インターネットが商用化されたことで、さらに広く使われるようになりました。
すると、複数のドメイン名を用途ごとに使い分けたい、組織ではなく個人でドメイン名を登録したいといった、新しい要望が増えてきました。それらの新しい要望に対応するため、属性を持たない「汎用JPドメイン名」が2001年に新設されました。

汎用JPドメイン名

「〇〇〇.jp」のように、セカンドレベルドメインに直接登録する。組織・個人のいずれでも登録でき、〇〇〇の部分には英数字に加え、日本語も登録できる。
例:example.jp、ドメイン名例.jp

汎用JPドメイン名は、日本に住所を持つ個人・組織であれば一人で複数のドメイン名を登録できます。また、「陣内ポン太.jp」のように、ひらがな・カタカナ・漢字を使った「日本語JPドメイン名」も登録できます。

不正な目的による登録に対応する仕組み

汎用JPドメイン名が誕生する前年の2000年、JPドメイン名の紛争処理方針・JP-DRP(ジェーピーディーアールピー)が策定されました。これは、他人が権利を持つ商標や商号などの文字列を含むドメイン名を先に登録して転売を図る行為(サイバースクワッティング)やユーザーに誤認・混同を生じさせる行為に対し、紛争処理機関に異議申し立てを行い、紛争を解決できるようにするための制度です。

JPドメイン名には「1組織1ドメイン名の原則」があったため、そうしたトラブルの発生数は抑えられていました。しかし、「.com」などのgTLDでは他人が権利を持つ文字列を含むドメイン名を登録し、高額で転売したり、誤認・混同を生じさせたりする事例が増えていました。そのため、汎用JPドメイン名を始めるにあたり、日本のインターネット利用者が安心して利用できるようにするための制度が整えられることとなりました。

「陣内ピコ丸.jp」が先に取られてたらどうしようか?

陣内ピコ丸デラックスに改名するかな〜?

実名を変えるのか!?

都道府県型JPドメイン名とは
04.04

2012年には、「○○○.tokyo.jp」のようにセカンドレベルドメインに都道府県名を使った「都道府県型JPドメイン名」が新設されました。都道府県名にはアルファベットと漢字(例「tokyo」と「東京」)のどちらも使えます。

都道府県名がアルファベット

(ASCIIラベル)
example.hokkaido.jp、ドメイン名例.tokyo.jp、
example.osaka.jp、
ドメイン名例.fukuoka.jp、
example.okinawa.jp など

都道府県名が漢字

(日本語ラベル)
ドメイン名例.北海道.jp、example.東京.jp、
ドメイン名例.大阪.jp、
example.福岡.jp、
ドメイン名例.沖縄.jp など

都道府県型JPドメイン名も汎用JPドメイン名と同様、日本に住所を持つ個人・組織であれば、複数のドメイン名を登録できます。
例えば、京都好きな方が「〇〇〇.kyoto.jp」を使っておススメスポットの情報を発信する、地元のバレーボールチームが自身のWebサイトに「〇〇〇.岡山.jp」を使ってチームの情報を発信するなど、都道府県型JPドメイン名を使って、その地域とのつながりをドメイン名で表すことができます。

ちなみに北海道の「道」はいるの?「北海.jp」じゃないの?

よく気づいたね(笑)。北海道は「北海道.jp」か「hokkaido.jp」だよ。

JPドメイン名の登録はどうやるの?
04.05

JPドメイン名を登録する場合、まず登録したいドメイン名を決める必要があります。しかし、先ほど説明したようにドメイン名は先願制ですので、既に登録されている場合は登録できません。
自分が登録したいドメイン名が登録済みかどうかは、WHOISというサービスを使って調べることができます。

「.jp」や「.com」などのドメイン名では、重複して登録されないように一元管理する組織(レジストリ)と、ドメイン名の登録をレジストリに取り次ぐ組織(レジストラ)に、役割が分かれています。この仕組みを「レジストリ・レジストラモデル」と言います。

JPドメイン名では、株式会社日本レジストリサービス(JPRS)がレジストリの役割を担い、JPRSと契約した500社以上の指定事業者がレジストラの役割を担っています。

役割を分けることで、JPドメイン名を登録したい人は自分に合った指定事業者を選び、登録を依頼できるようになります。
ある指定事業者はドメイン名の登録に特化していたり、また、ある指定事業者はWebサイトを公開するサーバーを一緒に借りられるプランを用意していたり、別の指定事業者はWebサイトの制作も依頼できるサービスを提供していたりといった形で、指定事業者は登録者のニーズに合わせ、さまざまなサービスを提供しています。
登録したい人はそれらのサービス内容を比較検討してどれかひとつを選び、登録を依頼することになります。

ドメイン名が登録済みか調べる方法は?

レジストリは、自分が管理するドメイン名の情報をインターネットで公開して、ドメイン名が登録済みかどうか、誰でも調べられるようにしています。この仕組みを「WHOIS(フーイズ)」といいます。WHOISを公開することは、レジストリの基本的な役割のひとつです。

JPドメイン名の登録情報は「JPRS WHOIS」で公開されています。JPRS WHOISでは、ドメイン名の登録日や、そのドメイン名を管理する権威DNSサーバー(ネームサーバー)といった情報も調べることができます。

ピコ丸はどんな指定事業者がいい?

ポン太よりインターネットに詳しくてポン太より猫缶をいっぱいくれるといいな!

うーん、後半は難しいかもね〜。

【体験コーナー】
「検索」をしてみよう!

JPRSが運営する「空きドメイン名検索」
希望するJPドメイン名が空いているかを
調べられるサービス、
「JPRS WHOIS」は登録済みのJPドメイン名を
調べられるサービスだよ。
JPドメイン名を検索してみよう。

  • 1
    あなたが登録したい文字列が空いているか、 で確かめてみよう。
  • 2
    「陣内ポン太.jp」が登録された年月日はいつか、 で調べてみよう。

JPドメイン名って、インターネットの成長に合わせて数と種類が増えてきたんだね~。

ポン太の部屋に大量にある謎コレクションの増え方と同じだね!

そう、あのたくさんあるコレクションにはちゃんと意味があるんだよ!ピコ丸、わかってる〜!!

(からかったつもりだったんだけど…)