文中で紹介した「誰がどのIPアドレスを使っているかを全部知っている人」という役割は、アメリカのSRI-NIC(エスアールアイニック)という組織が担当していました。
SRI-NICがHOSTS.TXT(ホスツテキスト)という、機械とIPアドレスの一覧ファイルを公開し、インターネットに接続する組織はこのファイルを定期的に入手することで、接続相手を名前で指定できるようになったのです。
DNSはこのHOSTS.TXTを置き換える目的で開発されました。最初のDNSが1983年、その改良版が1987年に公開され使われるようになると、「相手先を名前で指定できる」というHOSTS.TXTの利点はそのままに、インターネット自身が大きく成長しても、同じ仕組みを使い続けることができるようになりました。
DNSは、1987年に公開された仕組みにさまざまな改良を加える形で、開発されてから40年近くたった現在も、見えないところでインターネットを支え続けています。